マイアミ警察は腐敗してるのか?
Hotline Miami (1・2) のテキストを読み返していて、マイアミ警察の捜査能力が謎すぎて考えたことです。考察未満の妄想オンリーの雑談です。
警察のファイルから見るマスク殺人

1989年7月21日、[1-12: Trauma]イントロにて、Jacketのベッドの近くで警察官と医者が喋ってます。
彼らの話から分かるのは、「Jacketは何週間も昏睡状態が続いており、複数の事件の筆頭容疑者とされている」「The Girlは死んだ」「警察はRichterを逮捕したが、Richterは何も喋らない」の3点です。超重要な説明セリフです。
Jacketはこの時すでに目を覚ましており、警官らの話を聞いていたと思われます。だから即座に病院から脱走して、その日のうちに警察署に向かい ([1-13: Assault])、Richterをしばきました。しかしそこで、Richterも自分と同様に怪電話で操られていただけだと知ったJacketは、Richterのアドバイスに従って捜査のファイルを持ち帰ります。
この時のRichterのセリフから、『ファイル』はJacket・Richterの事件に限らず当時の一連の事件のものを指しているであろうことが読み取れます。
- Richter
- I wish I had something to tell you... But I don't.
The police might know more about this mess than I do.
They should have a file on the case here somewhere.
仮に何か知ってたとしても、この頃のRichterは母親 (Rosa) を人質にとられてますから、Richterしか知り得ないことは絶対喋らないはずです。[2-17: First Blood]でEvanに情報を提供したのは、見返りに母親にハワイ行きのチケットを手配してもらえるのと、もしかしたらEvanが真相を解明してくれるかもという期待を込めてでしょうか。

さて、このファイルの内容の一部を、次のレベル[1-14: Vengeance]のイントロで読むことができます。なお[1-14: Vengeance]の日付は1989年7月23日なので、脱走から2日経って自宅に居ます。警察何してんだ。
で、見返しててふと疑問が湧きました……。
...suspects claim to have been threatened into...
...instructed to kill by messages on their...
...phone calls traced to a club on South 86th Street...
...ties to underground Russian Mafia network...
...multiple accounts of illegal activity reported...
...insufficient evidence for a warrant...
この下線部、「脅迫されていた」と主張してる容疑者って誰だろう。
Jacketはずっと昏睡してたし、Richterも何も喋らなかったはずです。ということは、これは二人以外の別のマスクマンの証言です。そいつが本編に出てきたかは分からないし、このファイル自体がいつのものかも不明ですが、警察は他のマスクマンから『ロシアンマフィアが経営するクラブからの脅迫電話』に辿り着いていたことになります。
不可侵のGolden Truck Stop
ここで私が引っかかったのが、警察がこのあとJacketの事件からも同じクラブに辿り着いてるであろう点です。
[2-5: First Trial]イントロのJacketの裁判で触れられてる『Golden Truck Stop』というクラブが、このS 86th St (Golden Truck Stop)を指してるはず (※) なんです。
(※注:『Golden Truck Stop』=『S 86th St (Golden Truck Stop)』であると作中でハッキリ書かれてるわけではないです。どちらも「ロシアンマフィアの犯罪に関わりがあるクラブ」だと言われてるだけで、本当は別の場所を指してるのかもしれません。でも筆者は同じ場所だと思うので、このページではその前提で書きます。)

- 署長
- We did, sir.
The defendant seems to have received phone calls that match the time frame which he suggests.
But...- 弁護士
- Did you manage to trace these calls?
If so, where did they come from?- 署長
- We traced the calls to a night club called the Golden Truck Stop, yes.
- (略)
- 弁護士
- Do the police have any knowledge of ties between the Golden Truck Stop
and the Russian Mafia that could support my client's claims?- 署長
- The venue has been linked to several mob-related crimes in the past, yes.
However...
つまりマイアミ警察は、少なくとも二つの事件から同じ場所を導き出してることになります。同じ住所から脅迫電話を受けていたと主張するマスクの殺人鬼が2人もいるのに、1991年になっても発信源のクラブを捜査してないのはどうなんだ。
そしてこのシーン、何回見ても署長の歯に物が挟まったような物言いが気になります。マイアミ警察はJacketの家の電話に通話記録があったことを確認してるにも関わらず、留守電テープが取り外されてたからといって、Jacketの言う『脅迫電話』の証拠が無いと断定してるのも謎です。
マスク殺人は自警団活動なのか?
いったいマイアミ警察がどこまで把握していたのか気になってきたので、Jacketの部屋にあった新聞のスクラップを見てみました。

...bomb blast heard all the way down town...
...casualties still unknown. Charred remains...
...several masked suspects witnessed at the...
下線部、複数のマスクの容疑者が目撃されているとあります。1行目の「爆発」は、[1-4: Tension]でトラマスクの男が尋問されている部屋の爆弾をJacketが起動した時のものです。ということは、警察はこの時点で少なくともJacket以外にもマスクの殺人鬼がいることを把握してるはずですね。
...mask murders continues. Last night a dozen bodies...
...again connections to the local Russian Mafia...
...police denies rumors of a vigilante movement....
作中の時代的にウォッチメンを連想しちゃいます。じゃなくて、こちらの下線部には「自警団」とあります。やはり、Jacketひとりならただの変質者だし、複数だからこそ自警団という言い方をしてると考えられます。
ポイントとなるのは、この頃の警察は自警団という見方を否定しているということです。実はこの警察のスタンスは後に変化してます。[2-5: First Trial]でEvanがPetrovに取材していて、その中でEvanが「警察はマスクの殺人集団は自警団活動であると主張していますが、あなた (Petrov) も同意見ですか?」という質問をしてるからです。
改めて考えると、それってすごく怪しいです。さっきの署長の態度と合わせても、なんか意図的に警察が真相から離れていってるみたいだし、意図的じゃないなら捜査能力に問題があります。
Richterの事件の扱い
ここで、もう一つ肝心なことを思い出しました。

警察はRichterのネズミマスクを押収してました。つまり、警察はRichterがマスク事件の容疑者の一人であることを把握してるはずなんです。
だったら絶対、Jacketの事件との関連で何か捜査しているはずだと思うんですけど、しかしRichterの家にあったJacketの家のものらしき留守電テープは1991年時点で手付かずでした (詳細はリンク先を参照)。警察はRichterの家や留守電テープを調べなかったんだろうか!?
そもそも警察は、Richterの事件を一体何だと思ってたんでしょう。
するとまた引っかかってくるのが、あの世界で作られた映画が『Midnight Animal』だったことです。
脚色があるとはいえ、『Midnight Animal』はあの世界でJacketが世間からどう見られていたかのバロメーターだと筆者は思ってます。その結果があのようなスプラッタサイコホラー映画になったのだとしたら、マスク男同士の殺し合いがあったことは、もしかしてあんまり世の中に知られてなかったんでしょうか。
一応、Jacket以外のマスク殺人も報道自体はされてたはずです。そうでなければ、一般人のEvanがRichterやJakeの存在に辿り着くことはできなかったと思います。しかしこうして考えると、あの世界はJacket以外のマスク殺人があんまり注目されてないような気がします。
作中で描かれてなかっただけだと言われたらそれまでなんですけどね。というか、本当に警察が一連の事件を自警団活動として扱ってるなら、RichterがJacketを襲ったのは自警団の内ゲバ扱いされてるかもしれません。
ちなみに邪推中の邪推ですが、Richterがあんまり捜査されなかった風なのって、まさかRichterの犯行のいくらかがJacketの犯行だと警察に勘違いされてたり……しないよね??
マイアミ警察は腐敗してるのか?
とかなんとか考えてたら、わりとマジでマイアミ警察が無能すぎるか、マイアミ警察にロシアンマフィアまたは50 Blessingsとの繋がりがあったとしか思えなくなってきました。
仮にロシアンマフィアと癒着してたなら、件のクラブ『Golden Truck Stop』の捜査令状がなかなか下りないのも分かります。仮に50 Blessingsが入り込んでたとしたら、こちらも地下の基地がバレないように『Golden Truck Stop』を守るかもしれないし、マスクの殺人鬼の事件に関連性を認めず自警団活動だったと捻じ曲げて、自分たちに捜査の手が及ばないようにするかもしれないです。
いや、もし50 Blessingsが警察に入り込んでるなら、前項の「Richterの罪をJacketにおっかぶせた説」すら意図的に行うことができますね。アメリカ国内で反ロシアの気運を高めるためなら、マジでやってるかもしれません (妄想)。
まさか両方と繋がってるなんてことは……と思いましたが、残念ながらPardo刑事の活躍を見てると、ロシアンマフィアとの繋がりも濃厚な気がしてきて困ります。なんであの人、ロシアンマフィアのPetrovの居所を知ってるのはともかく、名前を認知されてたり、The Sonのアジトまでも普通に訪問したりしてるんでしょうか。EvanはPardoにやたら『貸し』を主張するけど、それを行使するのが全てロシアンマフィア絡みの事件なのは偶然なんでしょうか。

以上、一から十まで単なる妄想でした。読んでくださり本当にありがとうございました。