第八章
直弼とペリーは手始めに
酒屋の軒下で 町人の食い残した残飯を掻き分けている
一人の浮浪者に目をつけた
二人の男は まるで
昔からの仲間かのように
年の近い兄弟かのように
息のあった詐欺を披露した
堀の深いペリーの顔からは 一切の思考が読み取ることは 不可能であったので
教養が皆無に等しい 町人を騙すことは
呼吸をすることより簡単だと そう思えるほどであった
詐欺をくりかえし貯めた 汚れた金を博打に費やし 一夜で文無しになった日もあった
二人は目的を忘れ
愉快な日常が 永遠に続くかと 思い始めていた
あの時までは…