少年の夢
天から山の頂上へと 大きな虹色の橋がかかっているのをみた
直弼 10才の出来事である
その煌めきは
少年の こころを踊らせた
幻想的で 壮大で
もしかしたら 本当に 天へと続いているかもしれない
昔 もっと幼かった頃 近所の大人に そういう物語がある
と教えてもらったことがある いいことをしていれば 天に行けるのだと
胸が高鳴った こころが 押さえられなくなった
少年は 山に上ることを決意した
山道は険しく 大人ならまだしも 子供の脚ではその苦労は何倍にもなろう
草履の鼻緒が千切れ 足の皮は土で汚れた
だが少年は諦めなかった
そしてついに…少年は…
頂上へたどり着いた
上を見た 地面を見た
辺りをよっく見渡した
…橋はもう そこにはなかった
少年の脚では あまりに遅すぎた
日が暮れて 虹は消えていたのだ
そもそも虹は空にかかるもの なのであるが
だが そんなことを知るはずもなく…
少年は大人を憎んだ
ウソをついたと 騙したと憎みきった
この瞬間
新たな直弼がこの世に誕生した
悪鬼 直弼が…