第二章

ペリーは瓦版に 自分の書いた物語を送ることで暇を潰していた

人間は暴力に屈する という自身の信条をもとに 書いた作品であったが

ペリーのその 非現実的な作風は 呼んだものに少なからず嫌悪感を与えた

当然役場には 苦情が来るが

送られてくる度に 『掲載しなければ 町を燃やす』と一文添えてあるのが常だった

 

一度だけ掲載をしなかった事があったが その夜に町の大半を全焼させる大火事が起きた

町民は逃げ惑い 搦め手門から逃げようと試みたが

門番が 囚人が脱走したものと思い込み 閂を外すことはなかった

これはペリーが前日に 脱獄宣言なるものを送っていたからである

現に数人 囚人がいたが これは微罪で罪を放免になったもの達であった

 

こうして 一夜にして2000余名もの人命を落とす大火事となったこの火事は 

明歴の大火として後世に語り継がれる事となるのであった

 

危険な思想と 危険な行動を併せ持った人物は 危険極まりない存在であったが

しかし その思考に同調するものも 僅かであったが存在した

 

深淵を覗くときは 全霊の注意を払わなければいけない

何故なら 人が深淵を覗くときは また

深淵も人を覗き返しているからだ

 

ペリーもまた 自らの狂気に触れ そして 周囲に狂気を振り撒く 

具現化した深淵となっていたのであった