1.光源氏と光平家、代理戦争にてゲンジボタル絶滅する
神々は見開いたまなこを開けたまま硬直していた
足が、腕が、身体(にくたい)が、なにかに取り込まれていた
それは恐怖の具現化であり、人類を超越した神々ですら、目の前で、その身体で起こった怪奇に心を震え上げたのであった
場所は神ヶ島(ウェイストランド)
その時は……
第弐部 PEACE AFTER THE DEATH
桃、そう、桃は、確かに雲の上に立っていた
丸くて若干血に染まった桃色の身体をもそもそと動かすその姿、それが桃を桃と証明する確固たる理(ことわり)
しかし、もはや見かけやカタチは桃と言えども、中身は混沌の如く神の力が渦巻いている荒ぶる大渦のような闘気(オーラ)
この闘気(オーラ)の出処は、主に武闘派の神である、夜の神ツクヨミの思想が現出したものであるが、通常この闘気(オーラ)を浴びた神々は内臓から血を噴き出し即死するほど強力なもの
ただ、それの被害にあうものは、ココにはいない……全てを喰らってしまった
桃は嘆いた、己の存在を、意義を、色と形、そして、味を
桃「なぜ糖度が上がらない……!」
桃の悩みはシンプルにして困難極まるものであったが、まるで神々には関係がないものであったため、桃が悩み、動きを止めるたびに、身中に埋もれる神々は、しばしば桃の肉質(おのれの肉)を変化させて具現化させ、桃の体内で辛うじてポーカーなどを愉しめるような構造的順応をしていた