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95.インタールード

 そういうわけでまた、数百年くらいが過ぎた。

 水一滴漏れ出さない構造をした会議室で、複眼を持つ子供たちが、今の世界をどうするか話し合っている。

 その頃、かつて枯山水も羨んだ白い世界は、白と黒とのマダラ模様を呈していた。

 相変わらず真っ白い電波塔が見下ろすのに、白いがれきと黒いがれきが半々くらいに混じって、だけどそれを気にする者はあまりいなかった。正確には、システムを回す必然性のうえで心が鈍った大人たちには、それを気にすることができなかった。

 白と黒とで半分ずつ埋もれたのならば、では今現在ここが折り返し地点なのだろうか。そうでもない。おそらくここから先は、これまでほどの時間はかからないだろう……星占いでは、そのように出た。

 このままでは大変なことになる。なんとかしなければならない。

 子供たちは一生懸命話し合った。突拍子もないことばかり言う者、妙に理屈くさくて煙たがられる者、人気者なのでフワっとした意見でもなんとなく支持される者、流される者、夢見がちな者、ちょっとズレた者、単なるオタク、委員長。みんなで協力し合って、できる限りたくさんの案が出された。

 各案について良い点と悪い点を考察し、討論は非常に充実したものとなった。

『では、そろそろ材料が出そろったようなので、多数決を行いたいと思います。今から配る投票用紙に――』

 その時、何者かによってはめ殺しの窓に外から穴があけられ、同時に殺虫ガスが注入された。

 それは蟲の翅音が鳴り止むまで。

 

 

 

 鳴り止むのか?

 鳴り止みはしない。

 だって、今も頭の中で響いてるんだ。