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65.続・日刊虚言プランター

 ハローしーきゅー本日は雨天なんだぜ。日刊虚言プランターです。みなさんいかがお過ごしでしょうか。

 えっと今回ですが、D.J.もといEちゃんが根腐れ起こして寝込んでるから、アシスタントのオレが一人でがんばるぜ。でもがんばってゲストを捕まえてきたから、ケセラセラだぜ。紹介します、そのへんを歩いてたヒマそうな悪魔さんです。よろしくお願いします。

「#%@※(……ハッ!? ウ、ウワーッ、またここか!! これはどういうつもりだーッ、なんでオレはマイクの前で電気椅子に縛られてるんだーッ)」

 ……あ……えっ……そうなの? にかいめ? ご、ごめんなさいだぜ。いま、メカニックが出してくれたカンニングペーパーを見て初めて知ったんだけど、この方、前にオレが休んだ時に呼ばれてた方だったんだぜ。まあいいか。

 ということは皆さんはご存じかもしれないですが、この方は……、なになに。世間で悪魔悪魔と呼ばれてる大人にならないだけのガキども、とは違う本物の悪魔さん……なのだぜ。たしかにケモノの頭蓋骨みたいな顔してて、カッコいいんだぜ。

「#%@※(カッコいい? オレのこと、カッコいいって言った?)」

 さて本日のテーマは『今だから言えること』だぜ。えっと、投稿者の記録はとってないから、犯罪自慢もオッケーだぜ。あんまり胸糞悪いのは、オレよまないけど……今日はアドレス*********までメッセージ待ってるのだぜ。

 というわけで悪魔さんは、どうですか? 今だから言えることってありますか?

「#%@※(こないだのネタとかぶってしまうのですが……)」

 えっ! 思ったより話題の幅がない人だったのだぜ。どうしようどうしよう、間を持たせるために電気椅子のスイッチを入れるんだぜ。

「#%@※(ギャー!!)」

 あれっ、いつの間にか電気椅子にガムテープと鎖で縛りつけたはずの悪魔さんが、端っこがコゲただけで脱出してるのだぜ。なんでだぜ。

「#%@※(オレ、魔法が使えるって前に……)」

 おお、手品師さん。このラジオが映像媒体ではないのが惜しいんだぜ、このイリュージョンをみなさまにお届けできないのが残念だぜ。

「#%@※(あーっ、あーっ、今だから言えること……今だから言えること……あ、そうだ! 実は新しい彼女ができたんですけど)」

 趣味の悪い女だぜ! いくら貢いでるんですか?

「#%@※(ひどい)」

 さてミュージックアワーです。

「#%@※(まって!! きいて!!)」

 だって……友達でも知り合いでもないやつのノロケなんて……。

「#%@※(殺すぞゴミクソ野郎)」

 一曲目は当局おなじみサイバーマリモネットの『赤い列車は走れない』です、どうぞ。

 

 ♪ ♪ ♪

 

「#%@※(気持ち悪い歌!!!! 人気あるらしいから聴いてみたけど、どこがいいのか全然わからない! 最近の若者はこんなのがいいの? 宣伝さえすれば、こんなのでも売れちゃうの?)」

 はい、サイバーマリモネットの『赤い列車は走れない』でした。線路への投身自殺をテーマとした、ハイスピードかつバイオレンスなリズムが特徴のナンバーなんだぜ。心臓の鼓動をリズムマシンに例えるという歌詞がまた、焦燥感たっぷりだとおもいます。

「#%@※(この局、こいつらプッシュし過ぎでは? 金もらってるの?)」

 失礼なことゆーなだぜ! 選曲の半分以上は、設備とかぜんぶ自腹切ってる、うちのメカニックの趣味なんだぜ。というか悪魔さん、この番組聴いてくれてるんですね。ありがとうございますっ。

 えー毎度ですが、日刊虚言プランターでは、皆様の制作楽曲を募集しておりますです。「方法は問わないからとにかく電波に乗せたい!」という曲がありましたら、ぜひ教えてください。でも、何度もいってるけど、自薦オンリーでお願いしますだぜ。Eちゃん、ほんと訴訟溜まってるから……。ちなみに紹介させていただきました方には、プリンを差し上げております。愛を含めて市販の五倍くらい添加物が入ってる手作りのやつです。

 では、そろそろメッセージ紹介とまいります。

 まずはラジオネーム『半開き経典』さん二十九歳男性。『四年前にポラリス街の石橋の上で、当面の家賃に困らないくらい、たくさんの現金が入ったカバンを拾いました。しかし誤って店の揚げ油の中に全てぶちまけてしまい、大変なことに! 結局、その日のミックスフライ定食の全てに少しずつ混ぜて出して、事なきを得ました〜』。

 う~ん、何もかもムダな感じがしびれるぜ。これは裏技だけど、プロトン社の圧力鍋で煮込むとだいたいのお金は食べられるようになるから、今度困ったら試してほしいんだぜ。十ポイント進呈です。『半開き経典』さんは、あと五ポイントでプレゼントコード獲得なんだぜ。

 そうだラジオの前のみんな、来週中に合わせてポイント貯めると、ちょうどEちゃん手作りスイカをプレゼントできると思うぜ。Eちゃんが、おのれの暴力性に捧げるためにスイカをたくさん育ててることはみんなも知ってると思うけど、三個に一個はモグラよけのためにしゃれにならないレベルで農薬注入してあるけど……この時期のは甘くておいしんだぜ。

 お次はラジオネーム『コバルトブルー』さん十八歳女性。『言うことをなんでも信じる友達に、ジェンガのことをものすごく卑猥なふうに話したら、本当に信じてしまいました。今もその子は、ジェンガのと犬の交尾の区別がつきません。本当は謝りたいです』。

 それはちょっとかわいそうかもだけど、オレもむかし知り合いに、エッチな意味のクラゲ語を『俺を殺せるのはロックだけだ』って嘘おしえて、海で叫ばせたから……うぅ。でも、ほんとにそんなの叫ぶなんて思ってなかったんだぜ。なつかしい。二ポイントあげるのだぜ。

 ふー。悪魔さんも、何か猥談とかないんだぜ? ノロケより、盛り上がるとおもうんだぜ。

「#%@※(えっ……あっ……ウニの卵はヒトのオスの配偶子で受精できるとか?)」

 ……。

 えっと、ラジオネーム『バッタ野郎』さん十四歳男性。『お金を返してくれない人のうちに行ったら、洗濯機が回っていたので、豚の臓物を入れて帰ってきた時の話です。なにがダメかというと、ぼくはその日、アマガッパの下に、弟がこっそり書いていたポエムを全面にプリントしたシャツを着ていたのです』。

 それで見られたらどうしよう、自分で考えたと思われたらどうしようって、ほんとは喜んでたんだろ? この変態め! ……三ポイント進呈です。あ、バッタ野郎さん、これで三百回目のプレゼント獲得なんだぜ。おめでとうだぜ。

「#%@※(どんだけ投稿してるの!? どんだけ暇なの!?)」

 失礼なことゆーなだぜ! バッタ野郎さんはかれこれ百年くらい十四歳のまま、この番組の最初の頃からメッセージとか楽曲を送ってくれてる、超常連なんだぜ。でも、メッセージはずっと変わらず、公平を期した有機的乱数生成ロジックによるランダムな選定だから、ヒイキはないんだぜ。みんな安心してほしいんだぜ。

「#%@※(で……でも三百回、じゅうよんさい……?)」

 もー。いろんな都合があるものなんだぜ。オレたちみたいに寿命がすごく長いやつとか、ヒトでも半分くらい機械の身体だとか、悪魔っていわれてる子たちだったりとか、なんもおかしくないんだぜ。むしろいろんな人たちが聴いてくれるのが、この番組のいいとこ……。

「#%@※(なに悪魔って!? 悪魔はオレだろ!? もうワケわかんない!!)」

 う、うるさくなってきたのだぜ。だいたい、悪魔……悪魔悪魔と呼ばれてる大人にならないだけのガキども、をしらないなんて、ほんとに悪魔なのかも怪しいものなんだぜ! これ以上ラジオを聴いてくれてるみんなに迷惑をかけるわけにはいかないんだぜ。メカニック、投石器を出すんだぜ、こいつを排除する。

「#%@※(しっ、しらない。オレ自分が悪魔だから、他の悪魔とかしらな……)」

 Eちゃんがいない間はオレが日刊虚言プランターをまもるんだぜ! オラ乗れッ! とんでけファイヤー! 死ねアホッ!

 ……それでは二曲目のミュージックアワーです。若手漫才コンビ『右翼左翼』のサンプリングで話題となった……。