(後書き)
作中で一年飛ぶのに、2022年にストーリーを開始したら終わりが2023年になってしまうという致命的な問題に25話くらいで気付いた。下書き自体は最初から全部用意していたにも関わらず。他にも全体的に寝不足で書いていたので、細かいところは後で気付いたらちょいちょい直すと思う。
それと本当は、今年は地獄を舞台にした二十数話程度のものを書いていたのだが、その途中に考えたこの『大晦日長編』をケツが決まっているために先に出すことになってしまった。同時期に書いているうちに設定も似てきてしまい、地獄の方がお蔵入りになる未来が見えてならない。
これまでこのサイトは、なぜか大晦日にだけ季節行事の短編をアップするというよくわからないことをやってきた。数年ほど書いてある程度イメージが固まってきたのが、ここらでまとまった長編として一回排出された形なので、他の大晦日短編とは一応別物として読んでいただければ幸いである。
やたらと『イドピカ』のキャラが出てきているのは、これはべつに「『イドピカ』のキャラを使って書こう」と思ったからではなく、もっと個人的で普遍的な都合である。要するに、私が作りたいと思う話=キリウ君が出てくる話に必要なキャラの属性というのは、もともとかなり限られているのだ。文章力の都合で一度に三人以上を話させることも滅多に無いから、キャラ自体が少なくなりがちだし。だったらほとんど似たような別のキャラを作るより、同じキャラを使い回すのが手っ取り早いと思ってこのようにした。今後も長編を書くことがあれば、必要に駆られてキャラを追加する以外ではだいたいこうなるものだと思われる。
そういえば今回、キリウ君ではなく弟のジュンが主人公になった。『イドピカ』の解説(終わっとらん)にも書いた記憶があるが、そもそもキリウ君は、キャラの性質的に主人公に向いてないのでは?という疑問がずっとあった。実際、ジュンが主人公補正でメンタルをボロボロにされたことを除けば、そこそこ収まりが良くなったのではないかと思う。
それと書いていてもう一つ思ったのが、ミーちゃんは率直に『もの』なので、読む人によってはジュンによるミーちゃんの扱いが引っかかるかもしれない。というかミーちゃんの描写自体が今回かなりマスコット的なので、そういう点でも引っかかるかもしれない。でもそこはそれ以外の関係にはできないし、とりあえず筆者にそういう自覚はあるということで、割り切ってもらえればと思う。
以上、良いお年をー。ここのところサボっているので、来年はもう少し色々頑張りたい。
(2022年12月31日)