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[Hotline Miami 2] Final Cutと映画『Midnight Animal』について色々考える

※この記事にはHotline Miamiシリーズ、特に2のネタバレが含まれています。

 Hotline Miami 2の、日時が表示されない4th Scene『Final Cut』の時期を、なんとか絞り込もうとしたことがきっかけで色々考えてました。考察という名の妄想記事です。

  • [2018/06/03] Jacketの部屋が荒らされてた件について追記しました。

映画『Midnight Animal』とJacket

 [2-4: Final Cut]のイントロにて、俳優であるMartin Brownは、彼が出演している撮影中の映画『Midnight Animal』についてインタビューを受けてます。撮影中だと分かるのは、Richardの次のセリフです。

Richard:

This 'movie' you're making...
you know how it ends?

[2-4: Final Cut]イントロ

 映画『Midnight Animal』は、Galaxy film制作の『1のJacket事件の映画化』という扱いの劇中劇ですが、主人公はブタマスクをかぶったデブ男でした。さらに主人公はThe Girl (役) を付け狙って乱暴したり、妄想の電話の声を聴いて暴力行為をはたらくなど、史実と比べていかにもホラー・スプラッター的な改変をされてます。

Jacketのアパートのセット
Jacketのアパートのセット

 しかし、Jacketが自分の事件の新聞記事をスクラップしていた一面や、トイレが無い家の間取りは再現されていました。決して取材を行っていないわけではないようです。有名な事件なので、報道し尽くされてたというだけの可能性もありますが……。

 Jacketがブタのマスクを持っていたことは、[2-5: First Trial]の裁判所で並べられている証拠品にもブタマスクがあるので、周知の事実だと思われます。ブタマスク (Aubrey) は[1-2: Overdose]のハイスコアでアンロックされるマスクなので、ハイスコアで入手できるマスクは、逮捕時点でJacketが全て所持していたと考えてもよさそうですね。

 ただしレベル中で拾えるマスクについては、[2-15: Withdrawal]クリア後のデモでEvanが調べていたJakeの遺留品にコブラマスクが残っていたことから、所持しているとは限らないようです。Biker編でしか拾えないマスクもありますし。タコマスクの殺人鬼映画は無いのか。

 この映画から、2の時代におけるJacketに対する世間の目の一角が伺える気がしました。[2-2: Homicide]の新聞によると、Jacketは審問では一切発言していません。弁護士には裁判の通り「電話のメッセージでロシアンマフィアに脅されて犯罪を行った」と主張していたようですが、いかんせんそれでロシアンマフィアを殺しまくっていたので、事情を知らない人から見れば意味不明なはずです。

 反ロシア派の市民からはヒーロー視されていたJacketですが、そうでない人々には普通にサイコ野郎扱いされていたから、このような映画になったのかもしれません。

[以下 2018/06/03 追記]

荒れ果てたJacketのアパート
荒れ果てたJacketのアパート

 ふと思ったのですが、[1-13: Assault]イントロのJacketの家は、何者かに荒らされてグチャグチャになってました。50 Blessingのマークが描いてある点から、JonatanとDennis、または指示されたRichterが帰り際にやった可能性があります。現場は警察のテープで封鎖されていたので、逮捕される前に荒らされてるはずです。

 だとしたら、報道されたJacketの部屋は、荒れ果てているわ冷蔵庫に血の付いたものが入っているわで悲惨な状態だったことになります。50 Blessingsの存在を知られないために、Jacketをキチガイに仕立て上げようとして行われた工作だったのかもしれません。綺麗だった二人分のベッドが剥がされてるのも、誘拐された (はずの) 女性とJacketの関係が良好だった事実を隠す意図だったらひどすぎます。

 そのようなイメージからこの映画が作られたとしたら、制作側はそんなに脚色したとすら思ってないのでは……? 悲しい。

幻の台本とMartinの死

 撮影中のJacketの家のセットのテーブルの上に、なぜか映画『Midnight Animal』の台本が置いてあります。調べると一部を読むことができます。内容は以下の通りです。

The girl screams as the Pig Butcher enters the interrogation room.
The Police next to her falls of his chair hitting his head.
She tries to get away, but the Pig Butcher catches hold of her arm.
He forces her down to the ground.
She screams as he...

[2-4: Final Cut]テーブルの上の台本

「警官は椅子から転げ落ちて頭を打つ。彼女は逃げようとするが、The Pig Butcherが彼女の腕を掴み、床に押し倒す。彼女が悲鳴を上げ……」

Rを押しても生き返らない
Rを押しても生き返らない

 実際には彼女の動きが全然違いました。Martinが扮するThe Pig Butcherは、取調室に入った直後、The Girlに撃ち殺されてしまいました。

 Richardが言っていた「最後のどんでん返し」というのは、これのことでしょうか。けれどカット後の監督と女優の反応が、変わったことなど何も無かったような雰囲気なのが気になります。この台本は実在せず、役に憑りつかれたMartinが見た幻なのか? それとも、リアリティを重視していた描写があるRouven監督が、主演俳優にすら内緒で別々の台本を渡していたとか?

 なんにせよ、ハチの巣にされたMartinは起き上がりませんでした。ハードモード開始時に流れる意味深なデモが各人の死の状況を再現しているとすれば、あの地獄の集会でここと同じ死体姿になったMartinは、この時死んでしまったことになります。

 そうだとしたら、セットにまさか実弾が入っていたわけないし……実際には心臓発作とか別の死因かもしれません。いや、仮に監督が本当に複数の台本を用意していて、Martinが見た台本が実在するとしたら? 誤ってそちらに合わせて小道具が用意されてしまい、撃たないはずの銃に実弾が入っていたなんて事故が起きた可能性も……。

 妄想はともかく、イントロでこの結末について言及していると思われるRichardの不穏なセリフは次の通りです。

Richard:

I believe there's a pretty big twist at the end.
I doubt you'll like it.
In fact, I don't think anyone will. ...
Maybe you ought to get out before it's too late?

[2-4: Final Cut]イントロ

 Richardが映画の結末について、「誰も気に入ると思わない」「手遅れになる前にどうにかした方がいい」と言ってます。死神野郎のRichardのことだから、単なる『The Pig ButcherがThe Girlに撃ち殺されて終わり』という結末に対して言ってるのではないような気がします。

 Richardは、このまま撮影を続けてたら遅かれ早かれMartinが死ぬ、あるいはすでに手遅れであることを知ってたような気がします……。

 と、Martinが死んだ前提でいろいろ書きましたが、実際にMartinが死んだと言える根拠はハードモードのイントロで死んでいたという点だけです。他には、あれで死んでなかったらこのゲームに出てきた意味が無い気がするとか、Richardに向かって「夢なんだろ?」と聞いた点で逆フラグが立ってるとか、そんな程度のものしかありません。

プレイヤーが演ずるMartinが演ずるThe Pig Butcher

「全部……ただの夢なんだろ?」
「全部……ただの夢なんだろ?」

 筆者個人の考えでは、[2-4: Final Cut]のイントロで行われていたインタビューは「アパートの場面を撮影中のMartinがベッドの上で見ていた夢」です。[2-4: Final Cut]のイントロは、夢確定の[2-23: Caught]のイントロと同じく砂嵐で始まっているし、何よりRichardが「目を覚ます時間だろ?」と言ってるからです。

 インタビューから飛んだように見えるアパートの撮影も最初が砂嵐ですが、そちらの砂嵐は実は『Midnight Animal』本編の演出なのではないかと思います。アパートからレベルクリア後のカットのシーンまでは、編集済みの映画の映像のように見えるからです。

 アパートの撮影はThe Pig Butcherがベッドで眠っているシーンから始まり、それ以降は全て夢から覚めた後の出来事です。撃ち殺されたように見えるシーンも現実で、何らかの事故でMartinは本当に死にました。夢の中でRichardがMartinの「ただの映画だ」という発言を笑っていたのは、Martinの死が映画じゃないからです。

 (でも、これだとテーブルの上にあった台本の実在性がどうなのという気はします。起きてはいるけれど、役あるいはRichardに憑かれてたりで幻覚混じりだったと考えるのは、都合良すぎかなぁ。)

 インタビューについてですが、Martinはこの夢の元となったインタビューを恐らく[2-4: Final Cut]以前で実際に受けてます。[2-20: Release]でEvanが本の執筆よりも家族を選んだ場合、エンディングで普通にオンエアされているらしきMartinのインタビューがそれです。実際のインタビューは、特に当たり障りなく終わったんじゃないでしょうか。

 ただ、本当のところMartinがグロ趣味を持っていたのかは分かりませんが、もしくは名優ゆえ、演じるうちにJacketの役もとい暴力を楽しんでいた前作のプレイヤーと同調してしまったのではないか?

 RichardがMartinを「人を傷つけるのを本当に楽しんでる」と評したのは、前作の「人を傷つけるのは好きか?」と繋がるメタ発言です。前項の画像の『Rを押しても生き返らない』演出も、プレイヤーに向けたセルフパロディです。

 ぶっちゃけ、Martinの死にはストーリー的な意味なんか無くて、ただ彼がこのゲームのプレイアブルキャラクターだったからだと半分くらい思ってます。なんとなく、Martinの名前がブタマスクと一致してないのも意図的なもので、彼がプレイヤーに近い演者であることを表してるような気がします。

映画『Midnight Animal』お蔵入り説

 いきなり根本的な話に逆行しますが、映画の存在自体が夢だったということは無いはずです……。

 Hotline Miamiの世界には『Galaxy filmによるマイアミの殺人鬼を題材にした映画』が存在し、物議をかもしているらしいことが、[2-10: Into The Pit](1991年12月9日) の新聞に載ってます。

Galaxy film once again received heavy critique over latest block buster...
...Sparked a controversy over the film adaptation of Miami Maniac murders.

[2-10: Into The Pit]イントロ

 内容はこれだけですが、おそらく『Midnight Animal』を指してます。それなら実際に撮影も行われていたはずです。

 しかし、もし本当に主演俳優が死ぬなんて事故があったら、もはや映画化の是非を議論している場合ではありません。だとすると、この新聞記事はおそらくMartin死亡事件より前のものです。なので筆者は、[2-4: Final Cut]は1991年12月9日以降の出来事であると考えてます。

Martinが返事しない
Martinが返事しない

 夢からさめたようなカット後の情景です。下の方でケータリングに並ぶスタッフたちといい、すごく「夢ではない」っぽい気がします。だいいち、夢を見てる人が死んでも終わってません。

 この女優はなぜかエンディングにもピンで出ていることから、夢ではなく実在する人物のようです。チュートリアルで表示される出演者たちの名前を見た限りでは、彼女の名前はRachael Wardであると思われます。他は全て男性の名前でした。

 そして、そのエンディングに出てくるRachaelが次の画像なのですが……。

エンディングのRachael
エンディングのRachael

 片付いた部屋でひとり、ボトルを傍らにテレビを見ています。実際のエンディングだと、ちょうど直前に同じボトルを2本転がしている憂鬱なPardo警部のシーンがあるので、このビンが酒であることが分かります。しかし酒を飲んでるだけなら、きちんとテーブルの上に立ってるボトルのグラフィックを使えばいいような気がします。ここで突然、彼女のやさぐれ気味な一面を見せる意味とは……?

 それを考えててブッ飛んだ結果が、表題の映画『Midnight Animal』お蔵入り説になりました。個人的な理由でやさぐれることもあると思うのですが、撮影中の事故で主演俳優が死んでしまって映画がお蔵入りになった可能性もあるからです。妄想どころか幻覚入っててすみません。

 いや、Rachaelのこれが無かったとしても、実際に[2-4: Final Cut]のクリア後のデモで監督は「もう少し撮るシーンが残ってる」と言ってました。それに、彼に演技力を買われていた主演のMartinが死んだら映画の製作は中断し、最悪の場合『Midnight Animal』自体が頓挫してもおかしくないですよね。そう言われてみるとそう見えてきませんか? こないかな? こないか……?

 ちなみにMartinが死んでるとしたら、エンディングのテレビの内容はMartinのインタビューが流れないものが正史の可能性が高いです。追悼番組でもない限り。

 以上、長々と妄想にお付き合いくださり、本当にありがとうございました。

おまけ

めっちゃくちゃ嬉しそうなRichard

 なんかめっちゃくちゃ嬉しそうなRichard。

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去る512時間前、キリウ君は折れてない千歳飴を渡してきて、ぼくが折るよう仕向けた。1024時間前、彼はこの世のものではないハッシュアルゴリズムでひとりブロックチェーンを始めていた。